お客様の声 事例19 東京都三鷹市 相続まるごとパック




ご依頼いただいた手続き:相続まるごとパック
東京都60代 男性

相続に関して、わからない事柄も丁寧に説明して下さり、また、私の立場になって考えて頂き、とても感謝しています。

 




代表司法書士からの一言

S様、この度は相続まるごとパックのご依頼を頂きありがとうございました。
S様は、弊所がお世話になっている行政書士の先生から相続登記のご依頼ということでお話を伺いましたが、お話を進めていくに従って本件相続の内容が複雑だったため相続まるごとパックのご依頼となりました。

 

今回はお父様のご相続手続となりました。S様の家族構成を簡単に説明しておきます。

お父様(令和3年死亡)、お母様(令和1年死亡)、長女様、次女様、S様。
先にお母様が亡くなり、その後お父様が亡くなっております。

本件の相続手続において複雑だったところは以下のとおりです。

  • ①遺言書と遺産分割協議はどちらが優先するのか(遺言書がある場合に、遺言書の内容と違う遺産分割協議はできるのか)
  • ②意思能力がない相続人の遺産分割協議
  • ③遺留分侵害額請求権の行使

①遺言書と遺産分割協議はどちらが優先するのか(遺言書がある場合に、遺言書の内容と違う遺産分割協議はできるのか)について

Q.遺言書がある場合に、遺言書とは違う内容で遺産を分配できるのか。

A.遺言書があった場合でも、相続人全員が合意するなら遺言書とは違う内容で遺産分割協議は可能です。

遺言書があった場合においても、遺言書の存在を知った上で相続人全員で合意するなら遺言書の内容と違う遺産分割協議も可能です。ただし、遺言書において遺言執行者が定められている場合には、遺言執行者の同意も必要となります。相続人+遺言執行者の全員の同意が取れなければ、原則どおり遺言書の内容で相続手続を進めていかなければなりません。

②意思能力がない相続人の遺産分割協議について

次女様は生まれながらに精神上判断能力が欠けている常況(成年後見相当)ですが、成年後見制度の利用はされておらず、現在は施設に入って生活をしております。

Q.意思能力がない相続人は、遺産分割協議ができるか

A.意思能力がない相続人は、遺産分割協議ができません。

遺産分割協議は重要な財産の処分行為となります。意思能力がない人が遺産分割協議をする場合、成年後見人の選任を必要とします。意思能力がない財産処分行為、本件のケースでの遺産分割協議は無効です。

さらに、後見人や特別代理人の選任を申し立てたとしても、次女様の不利益になるような遺産分割協議はできませんので、次女様の相続財産を法定相続分より減らすことは原則として認められません。

認知症や障害によってご自身の意思表示が困難な場合、どの程度であれば遺産分割協議ができるのか?というご質問をよく頂きます。

遺産分割協議、居住用の不動産売却、銀行口座解約等々、様々な法律行為がございますが、意思能力の有無の判断は非常に難しいです。

個々の案件によって判断する必要があります。場合によっては医師の診断書を要するケースもあります。一般的な回答は難しいため、個別にご相談を承ります。

③遺留分侵害額請求権の行使について

Q.「相続財産はすべてS様に相続させる」という遺言書の場合、本件の長女様の遺留分はどのくらいか。

A.相続財産の1/6です。

遺言者は自分の財産どのように処分するのか、遺言で自由に決定することができます。しかし、兄弟姉妹以外の相続人に対して最低限残さなければならない「遺留分」という権利が認められています。

遺留分の割合について、民法第1042条には以下のような定めがあります。

  • 直系存続のみが相続人である場合 3分の1
  • 前号に掲げる場合以外の場合 2分の1
  • 兄弟姉妹には遺留分はない

今回は、長女様の法定相続分は1/3となりますので、それに1/2をかけると遺留分が算出できます。長女様の遺留分は1/6となります。

2019年7月の民法改正によって、遺留分侵害額請求権という金銭債権の請求権に変わりました。法改正前は遺留分減殺請求権と呼ばれていました。現金だけでなく不動産なども遺留分として返還請求できましたが(不動産が共有になってしまうなど弊害も大きかった)、遺留分侵害額請求権では遺留分相当額の現金を請求する点が大きな違いです。

また、遺留分については、民法第1046条に「遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができる」と定めれらておりますので、「請求する」ことが必要となります。

つまり、遺言者は自分の財産の処分について遺言で自由に行き先を定めることができるが、遺留分侵害額請求があった場合には侵害額を金銭にて相続人に対して支払う必要がある、ということになります。

一件の相続手続についてでも、遺言書と遺産分割協議の優先順位、意思能力のない相続人が遺産分割協議に参加できるか、遺留分侵害額請求の手続き等々いろいろな論点がありました。

相続人の皆様だけで手続きを行うには、相当な労力や知識が必要になることがお分かりになると思います。

また、相続手続終了後にその手続きの方法が間違っていて手続き自体が無効になったり、相続税申告の期限に間に合わず延滞税がかかったら、とても大変なことになりますよね。

その相続手続、一回専門家にお話をしてみませんか?
相続手続の相談は無料ですので、是非ご利用してみてください!
スタッフ一同お待ちしております。

 

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