遺言書は、被相続人の最後の意思表示となりますので、相続手続において最優先されます。そして、遺産分割協議を不要とすることができます。財産を誰にどのように分配するのか遺言書で決めておくことができるため、「争族」を未然に防ぐことが可能となります。
相続財産が少ないから遺言書を書く必要はないのではないか、という意見があります。しかし、財産が少ないからこそ財産の分配の仕方でもめてしまうケースが多発しております。平成27年の統計では、遺産分割事件の約75%は遺産総額5000万円以下というデータが出ております。
遺言書の作成については、民法で厳格なルールが定められております。
せっかく遺言書を作成しても、形式が整っていないと遺言書が無効になってしまいます。表現が曖昧または不明確だったりすれば、遺言書を書いたことによって、逆に争いを引き起こしてしまう可能性があります。
遺言書は、遺言者から大切な家族への最後のやさしさです。
失敗しない遺言書を作成するために、弊所では遺言書作成サポートを行っております。
遺言書については、公正証書遺言、自筆証書遺言および秘密証書遺言の3種類があります。
公正証書遺言
公正証書遺言のメリット
- 公証役場で公証人の面前で作成するので、紛失や改ざんの可能性がない
- 遺言者死亡後に家庭裁判所の検認が不要(公正証書遺言のみ)
- 公証人が関与するため、遺言者の意思能力の欠如等による遺言書の効力が問題になることが少ない
公正証書遺言のデメリット
- 証人・公証人に遺言の内容を知られてしまう
- 手続が面倒
- 費用がかかる
自筆証書遺言
自筆証書遺言のメリット
- 誰にも知られずに作成・修正ができる
- 簡単に作成が可能
- 費用がかからない
- 遺言の存在・内容を秘密にすることができる
自筆証書遺言のデメリット
- 遺言書の形式不備により、遺言が無効になる可能性がある
- 公証人の関与がないため、遺言者に遺言能力があったのか定かではなく、遺言者の真意に基づくかについて疑義が生じ、争いの対象になりやすい
- 文言の解釈に問題が生じる可能性がある
- 遺言者(私人)が保管するため、紛失や改ざんのおそれがある
- 遺言者死亡後に家庭裁判所の検認が必要になるため、費用、時間および手間がかかる
秘密証書遺言
秘密証書遺言のメリット
- 公証人や証人にも、遺言の内容を知られずに済む
秘密証書遺言のデメリット
- 遺言書を開封するのに、自筆証書遺言と同様に家庭裁判所の検認が必要
- 自筆証書遺言と同様、遺言書の形式不備により、遺言が無効になる可能性がある
以上、各種遺言書のメリット・デメリットを考慮すると、公正証書遺言を作成することが一番優れていると言えます。公正証書遺言の利用件数は、現在毎年上昇しております。
弊所で行っている遺言書作成サポートは、ほとんどが公正証書遺言の作成となっております。
遺言書を作成するには、「遺言能力」が必要です。
遺言能力を欠く遺言は無効になります。
遺言能力が認められるには、15歳以上であることおよび意思能力があることの要件を備えている必要があります。
そのため、15歳未満の者がした遺言、認知症等により精神上の障害により判断能力がないものが意思無能力状態で行った遺言は無効となります。遺言が無効だった場合、遺産分割協議で相続手続を行う必要があります。相続人間で争いが起きやすいのは、遺言書作成時に遺言能力があったかどうかという点です。この場合、遺言無効確認訴訟などにより遺言無効を争うことになりますが、相続手続の長期化、高額な弁護士費用の発生など、何も良いことがありません。
公正証書遺言の作成にかかる費用や時間は、遺言無効確認訴訟の費用や時間に比べたら微々たるものです。
認知症等で遺言能力が無くなってしまった後には、遺言書の作成をすることはできません。
遺言書はいつでも書ける訳ではありませんので、思い立った時に遺言書の作成を検討してみてください。
弊所では、二次相続も視野に入れた遺言書を作成するために、法的な部分だけでなく、信頼できる税理士の先生とともに税金面もケアした遺言書作成サポートをおこなっております。お見積や相談は無料ですので、お気軽にご利用くださいませ。
また、遺言書を作成した後に遺言を撤回・訂正したい場合は、遺言の方式に従っていつでもその遺言の全部または一部を撤回することが可能です。公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回することも可能です。遺言書が複数あるときは、日付の新しいものが有効になります。内容の矛盾した遺言書があると相続人が混乱してしまうので、前の遺言書を破棄して新しい遺言書を作成しなおすのが一番分かりやすいかもしれません。いずれにせよ、遺言書の撤回・訂正・破棄により、遺言者の意図が分かりにくくなってしまう事があるので、遺言の撤回・訂正・破棄についてのご相談も承っております。
公正証書遺言書作成の手続の流れ
- 電話・メール、面談にて打合せ
- 費用のご提示・確認
- 遺言書の作成開始
- 公証人と遺言内容の打合せ、公証人、遺言者、証人、司法書士の日程調整
- 公証人役場で公正証書作成
遺言書作成の必要書類
- 遺言者の印鑑証明書
弊所で代理取得は不可です。
発行後3か月以内のもの。
- 遺言者と相続人の関係がわかる戸籍謄本
遺言者の財産を相続人に遺贈する場合
弊所で代理取得が可能です。
発行後3か月以内のもの。
- 受遺者の住民票
遺言者の財産を相続人以外のものに遺贈する場合
弊所で代理取得が可能です。
発行後3か月以内のもの。
- 遺言者の本人確認資料
顔写真付きもの(運転免許証、パスポート等)1点
顔写真がないもの(健康保険証、年金手帳等公的機関から発行されているもの)2点
- 預貯金や有価証券の残高がわかる書類
通帳や残高証明書
- 土地・建物の不動産登記事項証明書
弊所で代理取得が可能です。
発行後3か月以内のもの。
- 土地・建物の固定資産評価証明書または固定資産課税明細書
- 遺言者の実印
- 証人予定者の氏名・住所・生年月日
- 職業が確認できる資料
- 証人予定者の本人確認書類
- 証人の認印
- 遺言執行者の氏名・住所・生年月日・職業が確認できる資料
公正証書作成費用 8万円~承ります
公正証書作成費用 8万円
※ 証人が必要な場合、証人1人について15000円加算
※ 書類取得料等の実費はご負担いただきます。
※公証人手数料
(ケースによって異なるため、内容が決定次第、見積を作成いたします。)
1 公正証書の作成
⑴法律行為の公正証書 | |
目的の価額 | 手数料 |
100万円以下のもの | 5,000円 |
100万円を超え200万円以下のもの | 7,000円 |
200万円を超え500万円以下のもの | 11,000円 |
500万円を超え1,000万円以下のもの | 17,000円 |
1,000万円を超え3,000万円以下のもの | 23,000円 |
3,000万円を超え5,000万円以下のもの | 29,000円 |
5,000万円を超え1億円以下のもの | 43,000円 |
1億円を超えるものについては、超過額5,000万円までごとに、3億円までは13,000円、10億円までは11,000円、10億円を超えるものは8,000円を43,000円に加算 | |
算定不能のもの | 11,000円 |
②遺言の手数料 ア 相続及び遺贈を受ける者が2人以上ある場合、各相続人及び受遺者ごとに、その目的の価額(その人が受け取る利益の総額)によって手数料を算定し、それを合算した額 |
|
備考
|